2018年8月15日(水) 犬の病気(腫瘍:小腸腺癌) ある午前の診察です。ハガキが来たので、来ましたと、お父さんとシーズさんの組み合わせでの来院です。身体検査で、お口の色が少し薄いピンクだったため、フィラリア検査のために採血した血で、追加検査した結果貧血(24%)を確認しました。食欲もあり、元気はありますが、寝ている時間が少し長いとのことで、自覚症状がありません。この子の体は一体? すぐに追加で、血液塗抹で、血液の再生像が少ない事を確認しました。血液は、赤血球、白血球、血小板があり、貧血とは、赤血球が少ない症状のことです。貧血は、溶血、失血、骨髄疾患で起こります。赤血球だけが少ないので、赤芽球勞、低形成以外の骨髄疾患の可能性は低いです。溶血性、失血性の場合、腹部臓器に異常がある確率は高いです。血液検査が済むと、すぐに腹部超音波検査を行いました。小腸の一部に腫瘤を確認し、他の腹部臓器は正常で、胸部レントゲン検査も正常でした。フィラリアの血液検査で来院して、小腸の腫瘍を見つけ、他の異常がないか確認し、その40分後には、飼い主さんにその治療法をお話ししました。このままだと、苦しい症状が出る可能があるので、おうちで、相談してみてください。と。 その後は、、、、。 翌日飼い主さんから、お電話があり、手術の希望とお知らせがありました。 数日後、手術で、小腸摘出と、リンパ節も一緒に摘出しました。 小腸は腺癌、リンパ節初期転移がありました。 術後すぐ、カルボプラチンという抗がん剤を使用し、3カ月の現在、貧血も改善し、ふとり、動きがよくなったそうです。 6年前、同じ小腸の腺癌の治療したパピヨンの子も、今年、フィラリア予防で、来院したついでに、超音波検査で検診しました。完治しており、異常はありませんでした。 7歳ぐらいからのシニアのワンチャン、猫ちゃんは、ワクチン、フィラリア予防時期に、病気を早期発見することがあります。 長生きはもちろんですが、高齢期だと、ワクチンフィラリア予防時期、健康診断で、病気が早期発見できで、治療もできて、良好な経過を送れます。 次は、脾臓肉腫、胃がん、腎臓がん、胆嚢粘液嚢腫等々です。