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犬の病気(内分泌疾患:甲状腺機能低下症、寒冷凝集素症) 

甲状腺機能低下症合併で寒冷凝集素症を悪化したわんちゃん。

8年前から、血管炎という免疫異常でおこる膠原病の1種で全身に皮膚病変があり、治療中で定期的に通院しているわんこさんに起ったお話です。

2年前の大雪の日に、毛布にくるまわれて、ぐったりして、わずかに呼吸している様子で、来院しました。
体温33度以下、足先側の皮膚が少し青紫に変化していました。四肢端冷感、脈数20〜30/分、口、目の粘膜が白く、意識がありません。循環状態が悪いので、保温、静脈点滴をして治療を始めました。保温し始めて全身のむくみがでてきました。症状は甲状腺機能低下症と一致します。血液検査で、腎臓機能低下、甲状腺ホルモン量の低下を(2年前は正常)確認しました。
血行改善、心拍数、呼吸数も正常になり、甲状腺ホルモンを服用して、動きもよくなり、食欲がでてきました。
その後、耳、趾端部、鼻先の皮膚が血行不良で、潰瘍が目立ち、耳は、一部欠損しました。

寒冷凝集症が以前からありましたが、今回は、甲状腺腺機能低下症もあり、血行不良が一層ひどくなり、耳先、胸の皮膚の一部は壊死が悪化して、穴があきました。

その後2年間、甲状腺ホルモン剤も服用して、耳先、足、胸の皮膚の血行は良くなり、冬には血行不良の所見はほぼなくなりました。

寒冷凝集素症は寒い時になりますので、秋先とか、皮膚のカサブタが増えてきたら気をつけてあげてください。

この血管炎のわんちゃん3匹の子たちは、後日、病変別に、載せていきます。