2020年5月24日(日)
犬、猫の病気(腫瘍:副腎褐色細胞腫、 消化器疾患:異物の腸閉塞)
(先日、トリミングにいかれたあと、写真が撮れたので差し替えました。)
軟便を主訴に来院したプードルさんのお話です。
腹部超音波検査を行い、左副腎が通常の1、5倍の大きさで不整な形になっているのを、偶然確認しました。ワンちゃんはとってもお元気です。
副腎腫瘍が疑えた為、摘出手術を行いました。手術摘出中に不整脈、高血圧が起こり、急変する可能性も考えて飼い主さんには立ち会いの元、手術を行い無事終えました。
病理検査で 副腎は、褐色細胞腫という腫瘍でした。
褐色 細胞腫は、副腎髄質のクロム親和性細胞から発生して、過剰にカテコールアミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)を放出して、高血圧を起こしたり、今回みたいに、偶然 腹部超音波検査で発見して確認されることが多い腫瘍です。腹部臓器に転移したり、大静脈に腫瘍が進行します。以前に、高血圧が原因と思われる眼底出血、痙攣を起こしたワンチャンが来院して、同じ腫瘍を診断したこともあります。
その後再発予防の為、抗がん剤で治療中です。
手術半年後、この子は吐き気、食欲不振で来院しました。超音波検査で、小腸の一部に、異物の塊が詰まって腸閉塞の所見がありました。この時手術中腹部を確認して腫瘍の再発所見はありませんでした。
摘出したところ、細い棒状(プラスチック製綿棒)のものが多数出てきました。その後経過は良好です。元気すぎるのも困りものですね。
ワンちゃん、ネコちゃんが早期発見したほうがいい病気の例も今後掲載していきます。