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犬、猫の病気(腫瘍:胃のリンパ腫)

リンパ腫で通院している子たちは犬、猫、フェレットさんを含めて、20~30頭ぐらいいますが、最近急激に増加しているのでいくつか紹介いたします。

 

この数週間、頻回の嘔吐、食欲不振、痩せて元気がない寝てばかりとのことで受診した年寄りネコちゃんです。食事した直後に噴射するような激しい嘔吐が続いているので、まずは腹部超音波検査を実施し、胃の異常を確認しました。

 

超音波検査で胃壁が厚くなり、内腔が狭く通過障害の所見があったので、超音波ガイド下で胃から直接細胞を採取して検査(細胞診)を行いました。その場で顕微鏡で確認してリンパ腫と診断、飼い主さんと話し合い、状態が悪いので、抗がん剤を少量頻回パルス的に使用しました。

3日後から、嘔吐もなく食欲がではじめ、初診時の寝たきり状態から改善し、ケージに頭をスリスリこすり続けられるぐらいまで体力が回復しました。

  

先週から維持療法に入りましたが、胃のリンパ腫治の治療はQOL(生活の質)を保つ=通過障害での嘔吐、食欲不振など消化器症状改善が目的です。

 

昨年、K市からシンガプーラさん、S市からアメショーさんが胃のリンパ腫で通院しましたが、抗がん剤が効いて嘔吐の症状は今回の子と同様に改善して過ごしていました。アメショーさんの同居ネコちゃんのももちゃんが3年前のワクチン接種時の聴診で異常を発見し、その時に心臓よりも大きい腫瘤を胸部レントゲン検査で確認、細胞診検査を行い縦隔型(胸腺型)リンパ腫というタイプを見つけて現在抗がん剤維持治療中、4年間以上寛解して良好な経過をとっています。現在16歳のももちゃん、アメショーさんの分まで頑張ってくださいね。

 

次はこのねこちゃんの腎臓リンパ腫です。この子は経済的な問題も抱えているので相談しながら、治療中です。

 

2種類の抗がん剤がすぐ消耗してしまうので、薬品メーカーさんを困らせてお隣の県まで探してもらったことも何度かありましたね。

いつもありがとうございます。名古屋に行ったMさん、現担当のNさん。

 

腫瘍症例も、皮膚病、眼科疾患、消化器疾患、免疫疾患等まだまだ紹介しきれていない部分がありますので、載せていきます。これを参考に福井県嶺北の飼い主さんの参考になれば幸いです。