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犬の病気(腫瘍:皮膚型リンパ腫)

このわんちゃんは、飼い主さんが皮膚病にかかられたと思い、来院されました。

全身のかゆみ、脱毛、色素沈着があります。

では、本当に皮膚病でしょうか  

脱毛しているところには、球菌が確認しましたが、はたして、膿皮症という診断でいいのでしょうか?

診察で、皮膚の少し深めのところから細胞診を行い、顕微鏡で独立円形細胞が塊で確認しました。リンパ腫などの血液由来の腫瘍が疑えたので、確定診断のため、皮膚の病理検査をおこないました。

ちなみに細胞診とは、細い針で、細胞を採取して、診察中に判定する検査です。院内で行える検査で1000-2000円ぐらいで受けれます。

病理検査は、太めの針を用いるか、もしくは切って組織をとる検査です。院外の検査施設に送るので、検査費用は約10000円ぐらいです。

このわんちゃんの結果は、リンパ腫(皮膚型)でした。

皮膚型リンパ腫は、時々見られます。今年は、肛門とか、後ろ足の皮膚とか、全部ダックスフンドのわんちゃん達で見られました。

腹部超音波検査で、肝臓右にも、進行している所見が確認されました。抗がん剤で治療中です。

皮膚のかゆみは取れて、毛が生えてきました。

些細な症状で 、重い病気が確認されることは時々みられます。今回のように、皮膚病と思い、受診したら、腫瘍だったり、病気の根本が違うケースは、意外と多いと思います。みなさん、気を付けましょう。

                      

ちなみにこのわんちゃんは現在16歳、9年前から、右肝臓細胞癌摘出、皮膚扁平上皮癌摘出、前肢軟部組織肉腫に罹っています。その都度、飼い主さんが手術、治療に立ち会っているので、治療には理解があります。

獣医の腫瘍の治療目的は、ペットが美味しく食事し、散歩、遊び等の、日常的な行動を送れるように、サポートすることだと思います。

みんな頑張って 、病気と闘いましょう!

(画像はおかあさんの了承のもとに撮影致しました。)