2019年1月2日(水)
犬の病気(犬の腫瘍:腎臓癌の1例)
僧帽弁閉鎖不全という心臓の病気の定期健診のエコー検査で、右腎臓に腫瘤を見つけたパピヨンの子がいます。2週間後の再診では腫瘤は1cm急速に増大していました。
悪性腎臓腫瘍は進行が早く、開業して4頭ほど手術しましたが、検診の時、無症状で発見した他のワンチャん(Gレトリバー)でも、その10日後の予約した手術日には破裂して3倍の大きさになり、あまりの大きさに蓋つきのバケツで、検査機関に送ったこともあります。
飼い主さんには、悪性腎臓腫瘍の疑いがあり、転移もないので腎臓摘出術をお勧めしました。了承を得られたので、即日手術しました。病理検査は腎臓癌、マージン(-)、脈菅内浸潤(-)でした。
6ヶ月すぎた現在抗がん剤治療中ですが、食欲があり元気です。この前盗み喰いしたそうですが、嬉しくもあり、頭が痛くもありです。
腎臓癌は、平均生存期間がとても短い病気ですが、自覚症状もないフィラリア、ワクチン接種等の定期検診等で偶然発見することもあります。以前は悪性腫瘍で経過が短いと思われた患者さんでも、検診で偶然見つけた例も多くあり、経過も良好な例もあるので、病気は早期発見が大事だと感じてます。