ニュース

ニュース

犬の病気( 犬の腫瘍:胃癌)

このわんちゃんはワクチン接種での来院でしたが、この1ヶ月に2回ほど嘔吐があると飼い主さんが訴えました。食欲があり、体重が昨年よりも増えていました。
嘔吐は食後に多いとのことで、腹部超音波検査を行いました。胃の出口幽門部というところから十二指腸近くまで、形が不ぞろいな腫瘤が、複数存在しました。バリウム検査も行いましたが、幽門を大きく占める腫瘤を確認しました。
腫瘍の可能性があり、検査から、悪性腫瘍の可能性と、進行した場合、腫瘤が十二指腸入り口をふさぐ可能性があり、胃の摘出手術をお勧めして、後日、飼い主さんから、手術を受けると、返答をいただきました。

赤い矢印の黒い部位が大きな腫瘤です。虫メガネの部位は胃体部です。

胃と十二指腸境まで腫瘤が、入っていたので、十二指腸で切断し、しこりがある幽門全部を摘出しました。胃の切った断端同士は張力がかかって傷の癒合が悪くなるので、ビルロード2法(胃と小腸をつなぐ方法)という方法で縫合しました。

摘出したした胃です。飼い主さんは、ずっと手術を見学して腫瘍の大きさに驚かれていました。

他の手術をしてから始めたので、遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。

術後、病理検査で、複数のしこりは腺腫、初期の胃がんも存在していました。
術後8カ月の現在、抗がん剤治療中で再発転移はありません。元気です。完治が期待できます。
胃がんは、早期発見が肝心な病気です。自覚症状が出た場合でも、ここ最近は経過がいい子もいます。

肺腫瘍、猫皮膚がん(皮膚病に見える)、ネコ脾臓肥満細胞腫、各種皮膚病、リンパ管拡張症、副腎腫瘍等々、治療経過中の子たちがいます。

膀胱腫瘍、甲状腺癌等々  動物病院からの今後の治療例です。