2019年9月23日(月)
猫の病気(猫の消化器疾患:腸重積)
この子はいつも、忘れたころに診察にやってきます。
食欲がなく、嘔吐が続き、よだれが出て、横になったまま、グッタリして来院しました。
腹部触診で腸が一部大きく腫れていたのを確認し、超音波検査でお腹を調べました。
小腸の壁の中に、腸があり、折り重ねっていることが(上の楕円形の小丸が腸の壁)確認できました。腸重積で腸閉塞を起こしているので、すぐに開腹手術で、重積部位の小腸を切除摘出し、腸同士を縫合して整復しました。切除した腸の病理検査結果は腸炎でした。この子は高齢で、腹膜炎も併発していたので回復に少し時間はかかりましたが、食欲が戻り、術後2ヶ月で経過は良好です。
腸重積の原因は、若齢の場合は寄生虫、腸炎で、高齢の子は高分化型リンパ腫等の消化管腫瘍等が原因で腸の運動が悪くなり、起こります。下の写真の通り、折り重なった下の腸は、血行不良で、壊死しますが、その部位を取り除けば症状が改善します。下痢が続くネコちゃんはその原因を見つけ、早く治療した方が腸重積にはなりにくいですのでお早めに。
下の写真は別の子です。下痢が1か月続くとのことで来院されました。