2019年10月9日(水)
猫の病気(猫の皮膚病:好酸球性肉芽腫症候群)
「ミケしゃんがこの頃、お尻を気にするみたいです。」
「不意(ふい)ちゃんの首回りにザラザラした触感があります。」
「この子、口の中に違和感を感じています。」
3匹のネコちゃんが、同じ時期に診察で来院されました。
三毛猫さんの肛門下に潰瘍病変がありました。
この子の首回りにところどころ脱毛があり、小さなカサブタが多数ありました。
この子の口を開けて見ると、舌の上に松ぼっくりのようなしこりがありました。
この3匹のネコちゃんの病気を確認するためにそれぞれ細胞診を行い、好酸球という細胞が多めに確認できるので、確定診断の為、病理検査を行いました。
結果は、好酸球性肉芽腫症候群という病気でした。
これは猫の皮膚病の1つで、比較的ネコちゃんに多い病気で、無痛性潰瘍、好酸球性プラーク、線状肉芽腫に分かれます。
この病変は様々なアレルギーが原因でおこると言われています。
このミケさんの肛門は無痛性潰瘍というものです。
通常は、口唇に出来ることが多いですが、この子のように肛門、上顎にできる場合もあります。
この子の首まわりの脱毛、かさぶたは、好酸球性プラーク、粟粒性皮膚炎というものです。
この子の舌のしこりは線状肉芽腫です。
通常は四肢に線状に盛り上がって病変を作ります。舌にもこのような病変を時々見かけます。
それぞれのネコちゃんにアレルギーの原因に対しての治療をしていただきました。
ノミアレルギーはノミ駆除、食事のアレルギーは除去食、アトピー性皮膚炎は免疫抑制剤+ステロイド内服の服用を持続していただきました。
現在、それぞれ順調に改善してきてネコちゃんたちも楽そうです。
あたしも、びっくりするところにあるニャ。
今は痛くないニャン。セレクトプロテインというお食事をいただいてるニャン。
この病気がもとで、上口唇が潰瘍病変で裂けているような状態のネコちゃんも診察したこともあります。
とても痛そうな病変を作ることもあるので、お早めにご相談ください。
次はやはり、僕ですかね?